2020年4月の民法改正により、売却前のインスペクションが注目されています。
売主にとっても買主にとってもメリットがあるため、中古物件を売る際は実施を検討すると良いでしょう。
ではインスペクションとは具体的にどのようなものなのでしょうか?
この記事では売却に有利とされるインスペクションをテーマに、検査項目やメリット、費用をお伝えします。
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弊社へのお問い合わせはこちら売却時におけるインスペクションの検査項目とは?
まずは売却時におけるインスペクションの検査項目とは、どのような内容なのかを見ていきましょう。
一般的には以下の3つの種類(3段階)とチェックポイント(検査項目)から成ります。
一次的インスペクション(現況検査)
一次的インスペクション(現況検査)とは、物件の状態が主な検査項目となります。
売却したい物件の状態を目視でチェックし、劣化具合や構造上安全であるかなどを確認していくのが特徴です。
目視で検査や点検がおこなわれるため、一般的に破壊検査は実施されません。
一次的インスペクション(現況検査)は物件の健康診断のような、基礎的な検査という風に理解しておきましょう。
二次的インスペクション(住宅診断)
二次的インスペクション(住宅診断)では、売却するためにより具体的な点検や検査がおこなわれます。
一次的インスペクション(現況検査)では実施されなかった破壊検査も検査項目に含まれ、劣化や不具合の生じている場所を突き止めたり、原因を特定したりするのが特徴です。
ちなみに破壊検査では壁を割ったりして物件内部の状況を確かめます。
二次的インスペクション(住宅診断)とは、健康診断後に受ける精密検査のようなものです。
性能向上インスペクション
性能向上インスペクションとは、リフォームをおこなう前に実施される調査です。
物件の現況や劣化具合をチェックし、場合によっては破壊検査もおこないます。
一次的インスペクション(現況検査)や二次的インスペクション(住宅診断)とは目的が異なり、バリアフリーリフォームなどを前提にしているのが特徴です。
ちなみに一般的な検査項目は、以下の3つとなっています。
構造耐力で主要となる場所
基礎や土台、床や柱など構造耐力で重要といわれる場所をチェックしていきます。
劣化や不具合の確認、耐震診断も検査項目のひとつです。
雨漏りの有無
中古物件における瑕疵のほとんどが雨漏りといわれています。
そのためバルコニーや軒、外壁など雨漏りしやすい場所をチェックしていきます。
省エネ性や断熱性
省エネ性や断熱性の有無を調べていくのも、性能向上インスペクションの特徴です。
中古物件の場合、現在の基準を満たしていない物件も多いため、省エネ性や断熱性が検査項目に含まれています。
売却前にインスペクションを実施するメリットとは
では売却前にインスペクションを実施するメリットとは、どのようなことが挙げられるのでしょうか?
魅力や利点を見ていきましょう。
資産価値を高められる
メリットとしてまず挙げられるのが、中古物件の資産価値を高められるという点です。
物件の状態や劣化状況、不具合を発見できるため、結果次第では同じ築年数の物件より価値が高くなるかもしれません。
中古物件を探す場合、「できれば劣化や不具合が少なく、資産価値の高い家を探したい」そのように思う方もいらっしゃいます。
インスペクション済みであれば、安心感もあるでしょう。
早期売却が見込める
早期売却が見込めるのも、大きなメリットです。
中古物件の場合、築年数や劣化具合によってはなかなか売却できないことがあります。
カビが発生していたり庭が雑草だらけだったり、管理状態によっては買主が見つからず、大幅な値下げが必要になるかもしれません。
しかしあらかじめ物件の状態を把握しておけば、自信を持って買主に説明できます。
物件に問題があることを心配する方が多いので、不安を少しでも取りのぞいておくのがポイントです。
修繕費用がどのくらいになるのか予測できる
これは買主側のメリットになるのですが、修繕費用がどのくらいになるのか予測できるという点も挙げられます。
中古物件を購入してから、リフォームやリノベーションする方が多くいらっしゃいます。
不具合や修繕すべき場所を把握できれば、リフォーム費用がどのくらい必要なのかを、ある程度把握することが可能です。
物件の取引とは、売却時だけでなく購入時にもさまざまなお金がかかります。
そのため、あらかじめ必要なコストを調べられるのは、買主にとって大きなメリットになるでしょう。
売却後のトラブルを回避できる
売却後のトラブルを回避できるのもメリットのひとつです。
売却後に瑕疵があった場合、一定の期間内は売主側でその責任を負わなくてはなりません。
しかしあらかじめ修繕が必要な場所を知り、買主に告知しておけば、引き渡し後に発生しがちなトラブルを回避できます。
不動産会社も安心して取引できる
メリットとして、売却を仲介する不動産会社が安心して取引できる点も挙げられます。
売却後にクレームが起きると、窓口となる不動産会社の負担となってしまいますし、場合によっては会社の信用を失ってしまうかもしれません。
インスペクションが実施されていれば、不動産会社も積極的に依頼を受けてくれる可能性があり、中古物件の流通量も増えていくのではないでしょうか?
すべての不具合を発見できるわけではない
インスペクションを実施したとしても、すべての不具合を発見できるわけではありません。
そのため、引き渡し後にトラブルが起きる可能性はゼロではないことを理解しておきましょう。
また不具合の種類や度合いによっては、売却できない可能性があります。
不安な場合は既存住宅瑕疵保険への加入を検討なさってください。
売却時のインスペクションにかかる費用や必要な時間とは?
では売却時のインスペクションにかかる費用や時間とは、どのくらいかかるものなのでしょうか?
費用の相場と内訳
依頼する業者や物件の規模によって費用は異なりますが、一般的には5万円から8万円が相場です。
ただしこの金額は基本料金(構造のチェックと雨漏り調査のみなど)となるため、床下へもぐったり、カメラを使って調査したりする場合はオプション費用がかかります。
以下が一般的な費用の内訳です。
人件費
人件費とはインスペクションをおこなう方(住宅診断士など)に支払う報酬です。
インスペクター費用という項目になっていることもあります。
交通費
物件までの交通費も、一般的には費用に含まれています。
駐車場がなくコインパーキングを利用する場合は、別途駐車場代がかかるかもしれません。
報告書の作成費用
診断結果をまとめた報告書の作成費も含まれます。
より詳しい内容を記載した報告書が必要な場合は、一般的に別途費用が必要です。
所要時間
インスペクションを実施する時間は、2時間から3時間程度です。
しかし調査項目によって所要時間が異なり、破壊検査や床下へもぐって調査する場合はさらに時間がかかります。
またインスペクションを依頼してから、実施日までは一週間程度必要です。
依頼日の当日に来てくれることはほぼないので、余裕を持って申し込みましょう。
まとめ
この記事では家の売却を検討している方に向け、売却に有利とされるインスペクションとはどのようなものなのか、検査項目やメリット、費用をお伝えしました。
買主に安心感を与え、売主はスムーズに売却できるというメリットがあるため、最近はインスペクションの注目度がアップしています。
売りたい中古物件がある場合は、ぜひ実施を検討なさってください。
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