建物を建てる際には土地が必要になります。
でも土地はすべての場所が平坦でスムーズに建築できるとは限りません。
そこで安全に建てるように土地の造成工事を行いますが、不動産を購入して造成はそのまま任せている人がほとんどなのではないでしょうか。
しかし土地の造成はやり方によってはかなり節約が可能です。
ここでは土地の造成についての概要や費用、節約する方法について解説します。
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土地の造成とは正式には「宅地造成」と言い、不動産をどのように建てるかを目的に合わせて整備することです。
土地は地域によってそれぞれで地盤の強度や地形などが違い、そのままでは不動産を建てることができないこともしばしばあります。
そこで、そういった土地を造成工事によって強化し問題を無くしていくのが造成工事です。
造成工事の概要
土地の造成工事は、土地の地形や地盤、環境によりさまざまな方法があります。
以下が主な具体的な造成工事です。
●整地
傾斜地などを平らにする工事です。
平らにして地固めすることで、強固な土地にしていきます。
また平地の空き地に建てる際も整地をしてから建築することが多いです。
さらに造成工事の仕上げで整地をおこなう事もあり、必要に応じてアスファルトやコンクリート、砂利を使用します。
●伐採作業
草木が生い茂っている土地におこなうのが伐採作業です。
農作業でおこなう伐採作業とは違い、草木が今後生えないように根こそぎ取り除き、場合によっては防草シートを使用します。
重機を使った大規模な作業になることもあり、その場合は廃棄する草木も膨大な量になるため運搬費用も高額になります。
また背の高い木の場合は危険性もあり専門の業者に依頼しなければなりませんので、さらに費用がかかることを覚えておいてください。
●地質変更と地盤改良
整備されていない土地は、地質が良くなく地盤が弱くなっている可能性が高いです。
また以前の土地が河川や水田などの場合は、そのまま建物を建てるのには適していません。
その際に行われるのが地盤改良工事です。
まず地盤がどれぐらいの重さに耐えることができるのかを調査します。
そして調査の結果に基づいて改良計画を立て、工事に着手していく流れです。
工事方法はセメント系固化材を表層の土に混ぜる、鋼杭を打つと言ったようなものがあります。
●土盛・土止
不動産を建てる土地が、必ず隣接する道路と同じ高さになっているとは限りません。
同じ高さでないまま建てると道路が陥没したり、反対に建物が土地ごと崩れる可能性があります。
それを防ぐ工事が土盛、土止です。
土盛は道路よりも低い際に行われ、土砂などを埋めて同じ高さにしていきます。
これをおこなうことで水没や浸水被害を防ぐことが可能です。
また土止は道路より高い土地、土盛を施した土地に行われる工事で、鉄筋コンクリートやブロックを使って擁壁を作ります。
構造はさまざまですが、土止が必要がない場合でも防災目的でおこなうケースが増えています。
●残土処分
傾斜地などを平らにする際に踏み固めるほか、斜面を削ることがあります。
その工事をおこなうと余分な土が出ますが、この土は自然の物と言えども、むやみに捨てることはできません。
これらの土を処分する作業が残土処分で、土の受け入れ先が定められています。
また残土に産業廃棄物が混入している場合は、取り除く作業が必要になるので、費用が加算されることもあります。
土地の造成にかかる費用とは
土地の造成工事は上の項目で紹介したように多岐に渡り、工事の種類が多い程高額です。
また造成をおこなう前にはどれくらいかかるのかを把握してから行わないと、大変な目に遭います。
ここでは造成費用はどのようになっているのかを説明します。
工事費用は業者により異なる
土地の造成にかかる費用は一律決められているものではなく工事業者により異なり、不動産会社経由で業者を依頼すると、仲介手数料がかかる場合があります。
また造成工事は期間や費用、内容も業者によりさまざまです。
工事を依頼する際は複数の業者に見積もりをお願いし、価格の安さだけでなく工事内容も確認し、納得のできる業者を探してください。
おおよその造成費用を見る
造成工事の費用は業者の違いのほかにも、工事の種類によっても違います。
国税局が公開している「宅地造成費」の表でおおよその造成費用を算出することができますが、これは宅地の相続税評価をおこなう際に用いるものなので参考程度です。
実際の工場費用が宅地造成費の表どおりにならないことが多く、最低これぐらいかかるという認識にしておいてください。
なお宅地造成費は管轄の国税局により違いますので、購入する土地がどの国税局の管轄かをきちんと確認する必要があります。
造成費用は経費にできるのか
住居だけでなく、アパートやマンションの建築目的で土地を造成する人もいるかと思います。
その際に造成費用を経費に計上しても良いかどうかが疑問になります。
造成費用は土地を取得するためのもので、土地の取得費の一部として扱われるため経費にすることはできません。
ただし裁判で造成費用の一部を経費として認めた判例があります。
●国税不服審判所の裁決(2016年03月03日)
①掘削・埋め戻し・整地などの造成工事 ⇒ 土地の取得費(経費としては×)
②隣接地との境界ブロックの撤去や積増し ⇒ 必要経費
③道路の歩道部分の切下げ工事 ⇒ 減価償却費(経費として◯)
④隣地との境界の明確化 ⇒ 必要経費
⑤土壌汚染の調査 ⇒ 必要経費
すべての造成工事が上記のように経費として認められるとは限りません。
申告する前に税務署に聞いてみたほうが良いです。
土地の造成費用の節約方法とは
土地の造成工事には上記で説明したように、多額な費用がかかるケースがあります。
しかし節約方法を使い、少しでも費用を抑えたいのは誰もが望むところです。
ここでは造成費用の節約方法について説明していきます。
内容が重複してしまう部分もありますが、再度確認の意味で見てください。
造成の依頼は直接業者に依頼
造成工事は施工会社にすべて依頼しない事で費用の節約ができます。
造成は施工会社が行わず、造成工事の内容にあった業者に依頼します。
すると土地を造成したい依頼者から、手数料をいただくことがあり数十万円単位になる場合があります。
また不動産会社経由で依頼する際は、仲介手数料がかかる場合もありますが、安価に済むこともあります。
まずは一社で決めず複数の業者に見積もってから造成工事を行ってください。
良く話し合う
造成工事は土地を自らよく確認することで、必要となる工事の種類が分かってきます。
業者は当然、大きな利益を得たいので不必要な工事をおこなうとも限りません。
まず造成工事をおこなう前には業者任せにせず、良く話しあい本当に必要な工事なのかを見極めてください。
また依頼する際には土地の完成イメージを共有し、後々のトラブル回避をするようにしたほうが良いです。
工事に伴うごみは自分で処理
造成工事ではごみが大量に出ますが、生活ゴミを自分で処理することで費用を節約することができます。
しかし大量の場合はごみ処理場に持参したりしないといけませんので、処理ができる量なのかをきちんと見極めてください。
なるべく土盛を避ける
傾斜地に建てる場合は土盛・土止をおこなう必要がありますが、基礎を高く設計することでこれらの工事を行わずに済むことがあります。
しかしあくまで安全上問題なければの話しです。
話し合いで土盛・土止が必要だと言われたら、素直に工事を受け入れようにしてください。
工事を削って数年後に追加工事が必要になったら、何の節約だったのか分からなくなります。
まとめ
土地の造成工事は不動産を購入する時も大事ですが、売却する時にも重要になります。
造成工事がきちんとおこなわれていることで、その土地が安全である証となり売却価格が相場より高くなる可能性があるからです。
まずは造成について一通り確認してから、着工しても遅くはありませんので理解を深めるようにしましょう。
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